Mar 10/2002 Philips先端学術講演会 2002
Philips先端学術講演会に行って来たので報告します.

同じ日には東京コンファレンスセンターで「Radiology Update」があり,両方出席したかった方も多かったと思います.こんどはなるべくこのような大きな会は重複しないようにしてくれると嬉しいです..

Philipsは最近積極的な合併・買収を行っており,5社が融合したことのメリットを強調していました.

特別講演の前にあった講演会は,3つの会場に分かれていました.私はCardiac Imaging & IntervensionのあったA会場に行きました.

まず最初に,大阪市立大学循環器病態内科学の室生 卓先生によるStress Echocardiographyの話,また湘南鎌倉病院の斉藤 滋先生の経橈骨動脈肝動脈インターベンション(TRI)のお話しがありました.


3番目に,Univ. Leauven(ベルギー)のSteven Dymarkowski先生(MD)による講演を拝聴しました.

座長は当科の似鳥俊明先生です.

この講演では,delayed enhancementの話や,bTFEを用いたcoronary MR angiographyの話がありました.bTFEは従来法(TFE)よりも末梢まで描出されていました.

(細かい写真は割愛します.)

最後に,室生先生からの質問があった後,似鳥先生が「それでは私の番ですね」といって質問されました.

質問内容は,「こんど私共のチームは,World Cupであなたの国のチームと対戦しますが,弱点を教えてもらえますか?」というものでした.会場は大変沸きました.

お返事もよかったですよ.「エー私はこれを説明するスライドは今日は持ち合わせてません..」(^^)


このあと,統一した会場に移動して,特別講演が行われました.特別講演会場では,たまたまお会いした東京女子医大の木村文子先生と隣になりました.木村先生は,点滴用のチューブなどで有名なJMSの木村創社長の奥様でもいらっしゃいます.

木村先生と話しているうちに,MRI室でする時計の話になりました.

木村先生は,「そういえば私,今日はMR室用の時計を持っているの」といって見せてくれました.せっかくなので身につけてもらって1枚パチリ.

これはデジタル時計なんですけど(MR室でつかえることは皆さんご存じと思います),回りの金属が「チタン」なんですよ〜

はい,こんな感じで高級感あふれております.僕もコンピュータはチタンですが...

銀座の伊藤屋で売っているそうです.7で始まって普通と一桁ちがう値段なのでオドロキました.

ちなみにこれはいつもなさっている時計です(^^)

え,僕はどんな時計を使っているかですって?

ウルトラスーパーMRI対応の...なわけはなくて,使っていません(携帯電話).ちょっとしょぼすぎるかなぁ.


でお話しが変わって講演会です.

特別講演の前に上条社長によるブリーフィングが10分間行われました.

これによりますと,フィリップスは

Aligent
ATL
ADAC
Marconi

を吸収合併してCT・核医学,USなどに死角のない製品展開をすることができるようになったということです.

これらの統一された製品を通して,「Clinical excellence without compromise (妥協のない良製品)」を提供するとのことでした.


特別講演は,聖マリアンナ医大西部病院の山中郁男先生が座長をされ,Gust H Bardy 先生(MD)(Univ. of Washington)が除細動器の話をされました.

Biphasic というタイプの新しい除細動器の話です.

?? という感じでしたが,始まるとなかなか面白かったです.

オープニングは沸きました.最初に若い人がでてきて,cardiac arrestになってもらいます(笑)

そうすると,新型の除細動器があっという間に取り付けられて,すぐに除細動が行われ,若者が立ち上がることができたというストーリーです.除細動器の取り付けと作動はたしかに簡単で迅速なようでした.


この講演ではMonophasicとBiphasicという聞き慣れない言葉がでてきました.Monophasicは単相性という意味で,グラフの上向きの電流しか流さないものです.これに対し,Biphasicでは極性が変化する方式で,今回新しく考え出されたもののようです. Monophasicでは最初の電流(ショック付与)時に40%の効き目しかありませんが,Biphasic (BTE; Biphasic Truncated Exponential)では90%の効果(除細動できる)が得られるそうです.これはすごいですね.
なおかつBiphasicだとエネルギーを低くしても効果があるので,心筋を破壊する悪影響が少ないということでした. ショックを与えたあとのECGの変化でも,左から2番目のBTEは,右側の従来の方法よりも 陰性T波が少なくて済むと..
まこのへんまでは良かったのですが,その後インピーダンスがどうのとか,キャパシタンスがどうしたとのお話しの連続になりました.

この辺は,我々は工学博士ではないのでよく分かりませんし,またとにかく(分からないこともあって)冗長に思えたのでちょっと疲れました.

で,最後に

Think low energy
Think biphasic

という標語で終わりました.うーん,それは分かるけど..
セッションの開始が遅くなったのでちょっと可哀想でもありますが,5時半(終了予定時刻)を回っていたし,ちょっと長すぎるなと思いました.

プレゼンは聴衆にあわせて内容を調整することが大切ですので,実際の臨床例の写真などを中心にして時間も20分ぐらいにしたら人の心に3倍残すことができたと思います.

まあ,私は Think audience ! と言いたいデス.  

(製品の内容はすばらしいと思います.それだけに残念という意味.)

なお,これはフィリップスの社員のプレゼンではないので直接的にフィリップスが悪いという訳ではありません.しかし主催者側としては,適切な内容を適切な時間でやるように(このような大きな会では)予行をしておいてもいいのではないかなと思いました.これは他社の会でもよく経験することですので,事前に医学専門家などに聞いてもらうことも考えるとよいと思います.

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